凶器は世辞より、咳。

2010年7月7日(水)01:46 投稿者 マギー

『役者殺すにゃ刃物はいらぬ、三度続けて褒めりゃいい』
誰が言ったかしらないけど。
別に褒められたからって死にゃしない。だから何度褒めていいよ。

『役者殺すにゃ刃物はいらぬ、三度続けて咳払い』
これはね、ホントに。
静かなやりとりの中に笑いが潜むようなデリケートなシーンで、
客席の咳払いがまー見事に間(ま)をぶち壊す。
シーン・・・ゴホン・・・ゴホゴホ・・・シーン・・・ウホッ・・・シーン・・・ゴッホゴッホ・・・エヘンエヘン・・・
また咳って連鎖するんだね。独りがしだすとそこかしこから。

間(ま)にゴホンが入っただけで笑えなかったり
セリフとゴホンが重なっただけで笑えなかったり
ゴホンで役者のリズムが壊れてしまったり
特に今回はそんなデリケートなシーンが多い。
今日のオレは咳でもって危うく死にかけた。

もちろん生理現象だから出すなったって出るこたぁあるさ。
固唾を飲むシーンでホントに唾が変なとこ入ったりもするだろうさ。
でもね、舞台はお客さんも最後の出演者だからさ。
笑い声や息づかい、咳やくしゃみ、ガサガサしたり喋ったり、
全ての音が役者の台詞と同様に空間に放たれるわけだから。
最低限の気遣い、最小限の音、お願いするのは我儘か?
だからお客さんと一緒に作るっていうわけで。
だから毎ステージが違うわけで。
それが楽しいわけで。

今、巷では百日咳が流行?皆さん、夏風邪にも気をつけてね。
街中で一時期アホみたいにしてたマスク、してきてもいいし。
今日で東京公演が折り返し。まだまだ続くステージの日々。
お互い身体には気をつけましょう。
特に喉!

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