落とし穴

2005年9月26日(月)01:30 投稿者 マギー

今度仕事でボルネオ島に行くのだ。
仕事で、といってもなにかを買いつけにいくわけでもなく、国際的な契約をとりまとめに行くわけでもない。
これがまた映画やドラマの撮影で、というわけでもない。
旅番組の撮影で行くんだけど、ジャングルを訪ねたりといった過酷なこともない。
リゾートを遊びながら紹介する、という構成の番組なのだ。
もはや仕事ではない。「遊んでください」と言われる仕事。世間様に申し訳ない。
飛行機からホテルの予約まで全部やってもらって遊んだ上にギャラまでもらえてしまう。
オレはギャングか、はたまた山賊か。全く世間様に申し訳が立たない。
これが初めて会う方とさも仲良さそうにしなきゃいけない、とかあれば、まだ仕事感があるんだろうけど、
ご一緒するメンバーは気心のしれた方々、願わくば一緒に旅にでも、とさえ思っていた方々。
これはもう仕事ではない、天からのご褒美みたいなもんだ。
なにもしてないのにご褒美をいただいてよいのか。否。
これはきっとなにか大きな落とし穴があるに違いない。
或いは天に試されてるような気がしてならない。
その番組でオレがやたら上や下を見てるとしたら、それは落とし穴を探しているか、天からの視線にヒヤヒヤしてるからだ。

幼い頃から憧れていた職業に運良くなれた。
仕事は全部ご褒美。やめたいなんて思ったことは一度もない。
早起きするのはちょっと大変だけど、それも楽しいゴルフのための早起きとなんら変らない。
「好きなことやってるって言っても仕事になったらそれはそれで大変でしょ」とよく言われる。
そんなことはない。仕事になったらもっと好きになった。
毎日楽しく好きなことばかりやって「こんなことでいいのか!」と時々思う。
普通のお仕事をされてる昔の友達と話しているとよく思う。「こんなんでいいのか!」
でも「こんなん」をしたかったのだ。したいのだ。し続けたいのだ。

こんなんばっかりやってたらいつか落とし穴にはまるだろう。でも多分、落とし穴にハマっても笑ってるオレがいるだろう。
そもそも、オレが幼い頃からやりたかったのは落とし穴の中に入ることだったのかもしれない。
世間様が覗きこむ落とし穴の中、それがオレが今いる世界なのかも。

こんなことを書くつもりで書き出したわけじゃないけど、なんかまとまってしまったんで、このへんで。

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