Monkey Circleを見た全てのKIDSへ。

マギー

正月明けからかかりっきりだったライブが終わって、今は取材やモロモロのプロモーションで超多忙な毎日。落ちついてライブの感慨にふけってる暇もないんだけど、今無理矢理ちょっと落ちついてライブをふり返って……。

今回は稽古中に番組の収録とかレコーディングが入ってくるのがわかってたから、いつもは1ヶ月半前ぐらいからボチボチはじめんだけど、正月明けの1月6日から稽古に入って。途中全く稽古できない時とかもあったんだけど、頭のどっかは当然ライブのことを考えてる。考える時間はいつもより長かったからやりたいことがバンバン増えちゃって。それをまとめんのがホント苦労したね。

今回の作り方をバラすと、俺のテーマの『原点』と『円』、それともうひとつのかくしテーマ(これは教えない)をみんなに与えた上でアイデアをもらって。俺も20コぐらい出したんだけど、皆もそんぐらい考えてくるから計100コぐらいのアイデアがあがったわけ。そのひとつひとつをみんなでバンバンふくらます、その作業が大好きなんだけど、ひとつのキーワードを「こんなパターンもある」「こんなんもオモロイ」って延々やるわけだ。100コのアイデアの中で仮に半分がひっかかったとしてもそれをひとつひとつ5通りぐらいの方法を考えついちゃうから結局膨大な数からやれそうなものをしぼんなきゃなんない。演出家児島さんとしてはここがまず初めの腕の見せ所。膨大な数の中から、「イケソ!」と思うモノを40本ぐらいにしぼる。何が基準かって? それはもう直感。俺の天才たる由縁。ほんでなんとなく見えてる40本を「イケル!」って思えるまで徹底的に皆でやりながら考える。

またこの作業が今回は面白かったね。だって皆すげえ俺を笑わすんだもん。会議上では空想だったものを実際に俺の前で皆がやる、これってオレだけの特権、オレだけの幸せ。でも今回は「イケル!」って思ってたものから「イコ!」って20数本選ぶのがホント大変で。だってほとんど「イケル」って思うものばっかりで全部やったら4時間半ぐらいになっちゃう。いやー悩んだ悩んだ。結局、このコントとこのコントはくっつけて……これは面白いけどアレと似たラインだから外して……なんてやってようやく今回の20数本になったんだけど。ホントはもうイッコすっごいコントを用意してたんだけど、今回はやめたのがあって。それはまたいつかやる機会がきたらやります。びっくりすると思う。あれは面白いよ、すんごい。

「イケル!」から「イコ!」ってやったコントが「イケタ!」って毎日はホント楽しかった。毎日ウキキーって言ってたよ、マジで。本番始まってからの俺達のテーマは「俺達はライブバンド」ってことだったんだけど、毎日、お客さんのノリ、カラむ相手のノリ、自分のテンション、その他モロモロあわせて、その日のベストアクトをやろってことだったんだな。ライブって慣れてくるとついついお決まりゴトを追いがちになっちゃうんだけど、今回、絶対一瞬でもそれをすんな!って。だからどのコントも毎日新鮮にやれて、やってるこっちもすっげぇ楽しかったね。

円形は楽しかった。お笑いに向かないって言う人多いけど俺達は感じなかったね。難点は遅刻してくるヤツがお客さん全員に、そんで俺達にも見えちゃうってことだったな。遅刻はいかんよ、遅刻は……。

今回はどのコントも必ずどっかのコントと微妙につながってるっていうのをやったんだけど(絶対、全部はわかんないと思う)スカパーでやるらしいんで、また見てそれを探すのも楽しかろう。それと教えなかったかくしテーマが何かって考えるのも(これに至っては絶対わからんよ)。

やっぱりライブは楽しいやね。無理矢理落ちついてでた月並みな感想、でもそれにつきる。


木下明水

オッス!モンキーサークル終わったぜ。観に来てくれた人サンキュー。観に来てない人もサンキュー。世界中にサンキュー。ライブが終わって俺は病院に行ったぜ。病院はファッキユー。いやー背中と頭の検査でさ。ライブ観た人は分るだろうけどさ、俺の今回の心のテーマは「体をはる」。はりましたよカラダ。「黒タイツショー」でさ椅子からコケるのよ俺。他のシーンでもコケるのよ。1ステージで3回コケる。それを19ステージやったから計57回だぜ。びっくりだぜ。運動神経自慢の俺もたまには失敗するさ。受け身失敗してさ。後頭部打って鼻血出したさ。背中が腫れたさ。背骨がむち打ちさ。そんな痛い思いでを作ったさ。今じゃイイ思い出だけどさ。ワオ!メモリアル!そんで心配してくれたミンナ安心してくれ。検査してモロ大丈夫だったよ。もう元気だよ。っつうかライブ中もガンガン元気だったんだけどさ。毎日飲んでたしさ。人の心配するヒマあったら自分のことでも心配してな!そういや「椅子コケ」のテクニック聞いていった出待ちの少女がいたが大丈夫だったろうか? 不安だ。受け身はとれたのだろうかね。くれぐれもマネしないように。責任とらねえぞ!これで死んだら恥ずかしいぞ!俺は笑うぞ!イヤーでもホント自分の受け身能力の素晴らしさに何度もホレボレしたぜ。やっぱ体は鍛えとくもんだ。いっとくけどボディーブレードも自前だかね。みんな健康にいこうぜ!

そうそう色んなものもふるわしたっけ。初日の魚肉ソーセージにはじまり、ちくわ、ゼリー。最終的にはゼリーが一番のお気に入りだな。たぶん客の視線より俺の視線で見てるほうが楽しいのよゼリーって。俺が楽しいのが一番。君らは二の次よ。スマネエナ!まあ今度試してみてろよ俺の楽しさが分るぜ。ふるわす物、他にも色々試したよ。使えないからやめたんだけどさ。こんにゃくとか誕生日ケーキ、プリン。一番使いたかったのは「はくせい」なんだけどさ。動物のはくせいってさ首が座ってないやつが多いのね。それをふると首がフルフルふるえるだよね。あまりにもグロテスクでやめたんだけどさ。俺は大好き。ビバはくせい!まあ猫とかの死体でも良かったんだけどさ。そのために猫殺すのもコストかかるしね。おっとこれ以上書くとグロテスクすぎる。ここらで終了。

シザーハンズ美容師も大変だったね。大声出しながら動き回る時間が長かったからね。円形劇場の外周を走るからね。いやー体力ついたよ。酸素くれっつう感じだね。今回のライブホント体はったぜ。体力ついたぜ。

そうだキサマは気付いてた? 「銀のライオンクラブ」の柳生の所。あれちょこちょこネタ変えてんのよ。使ってないネタもあるけどここに一挙掲載。「柳生は俺の弟を犯したんだ」「柳生は俺の妹をもてあそんだんだ」「柳生は俺の母親の墓を荒らしたんだ」「柳生は俺にだけ年賀状をくれなかったんだ」「柳生は俺の結婚式に電報をくれなかったんだ」「柳生は俺を井戸に突き落としたんだ」「柳生は俺にガムをくれなかったんだ」「柳生は俺のグローブを隠したんだ」「柳生は俺の犬を食べたんだ」などなど。まあ意味わかんないけどさ、分る人は笑ってよ。なんか説明すんのも面倒だしよ。柳生さんゴメンよ。楽しかったぜ。

日替わりネタってさ大事よ。毎日新鮮な気分になれるしさ。こまかくネタ違うんだぜ。毎日。ミンナがどのステージ見たか知らないけど、その時のネタが俺のその日の気分だぜ。よろしく。そんな俺の気分がモロに出るライブだったなーモンキーサークルって。春だしよウカレていこうぜ。そんなウカレ気分のライブ。ミンナもウカレてくれたかい?ウカレて行こうぜ!ウカレてない奴は殺す。とにかくゼリー作ってふるわしてウカレてくれよ。またヨロシクな。
サンキュー!愛してるよ!

六角慎司

モンキーサークルを御覧下さった方々、ありがとうございました。早いモノでもう公演が終わって数週間が経とうとしています。思えば嵐のような19ステージでした。中でも「ビューティーサロン鉄の爪」での私の踊りは文字通り“踊り狂った”感があります。決まったフリなんか一切なしで毎ステージただただ本能の命じるがままに、思いつくままに踊りかつ叫んでおりました。あの日のあの踊りは二度と、自分でも踊れないでしょう。まさにフィーバー、一夜限りのスパークでした。あの瞬間、瞬間、私は会場の誰よりもいっぱいいっぱいで、かつ充実していたんじゃないでしょうか? そんな姿を見て頂けて本当……複雑です。

石倉力

モンキーサークルは楽しかったね。なんか、力道先生みたいのがあると毎ステージちがった気分でできる。そんな中、いろんな霊が円形劇場にはいたんだけど、お気に入りはやっぱアマかな。でも影武者も気に入ってた。しかも勝新の影武者、だれもしらないよね。自分で考えた中でくだらないなーと思ったのは、お坊さんが見えるといって、スチャダラのボーズ、またはBOSE、しってる? スピーカーだよ、スピーカー。

あとメンバー以外には言わなかったけど、霊に乗り移られた瞬間にへが出たよ。でも、みんな、気づかなかったからそのまま続けちゃった。なんか、自分から言い出しにくくて。そういや、たんも出たな、あれはおいしかったな。今回、全公演で38回死んで盆がまわったんだけど、一回だけ床に手をついて、しかも顔まで床向いて死んだことがあった。そん時はおれって馬鹿だなーと思って笑っちゃった。

いろんなコントをやってきたけど、力道先生ほど馬鹿でおもしろいコントはなかった。またこんなどうしようもない奴をやってみたい。

坂田聡

今回はマギーちゃんとばかりからんでたので、彼は演出に忙しく、本番初日の5日前ぐらいまで2人でやるコントが何も決まっていなかった。ずーっとみんなが決まったネタの練習してるのみてた。時々マギーの代役をした。

マンザイはすごく面白かった。マギーがどうしてもやりたいって言って、やすきよのビデオ見せてくれたんですけど、これが面白かった。今どきマンザイなんてって思ってたボクの不安を吹き飛ばした。自分が生まれた頃にやってたマンザイですから時事ネタとかついていけないところ、確かにあるんですけど、笑いの間は今も昔も変わらない。ボケ役とツッコミ役をあえて決めないやすきよに圧倒されすごいなぁと思いました。毎回ネタドンドン変えてったんですけど、ステージ重ねるごとにスマートになって、面白いものがくっついてふくらんだって感じで、スピードも速くなったように思った。もっとやりたかった。寄席にも出たいです。ボクは「バイ」しか言いませんけど。円形はもうやりたくない。暗転すら怖いのに、円形だからどっちにハケていいのかわからない。実際リハーサル中に闇の中へと吸い込まれた。客席に落ちたってことだ。盆まわりながら暗転する時なんて方向感覚ゼロ。とり目の六角に、いつも手をひっぱってハケ口まで連れてってもらった。迷惑かけた。感謝してる。

石倉力道のアイデア、ボク思いついたんです。嬉しかった。石倉とボクと六角と清水麻衣子で焼肉屋に行ったことがあったんです。石倉はマッコリを炭酸で割った「とらじの唄」という酒が大好物で、それ飲みながら肉を喰らふ石倉は表現しようがないくらいじわじわ面白く、その顔見ながらずーっと何かできんかなぁと考えてた。何日か経って雑談中にギボアイコがパッと浮かんだ。みんなとの話の中でそれは織田無道へと変化し、今までの「バットマン」のコントの流れにくみこめた。石倉がノリノリでやってるのをモニターで見てガッツポーズとってた。客席からの笑いの中、回りながら暗転していく石倉はサイコーだった。なよなよした新しいキャラもできて面白かった。

「舌ったらずin屋台」と「ディズニーランドではしゃぐ親と冷めてる息子」の2本立てはキンチョーした。舌ったらずのキャラは、はじめは舌ったらずというだけで、もっと薄気味悪くやってと言われ、やってくうちに愛着わいてああなった。この人長い間宇宙をさまよっていつの間にかおでん屋になってて、宇宙飛行士だって言っても誰にも信じてもらえず友達もいなくて……と想像力かきたてられて必然的にああなった。もっとゆっくり喋りたかったんだけど本当は。マギーがテンポupだって言った。結果的にそれで良かった。「ディズニーランド〜」はマギーのやりたい事のお手伝いができて嬉しく思う。彼は円形の舞台の上で真っ白になってはしゃごうとしたし、ボクはステージを重ねるごとにドンドン親(マギー)を突き放した。やった事のないタイプのツッコミをした。ハケる時、いつも父英二、母辰子のことを思いだしせつなくなってた。舞台袖には銀のライオンクラブの出番を待つみんながいた。暗闇の中で何かすごくさびしくなりながらオバスンコントのかつらをつけてかっぽうぎ着てた。銀のライオンクラブのネタの時、楽屋ではボクとマギーちゃんだけでホトンド会話ないんですけど明水の「柳生は俺の犬を食べたんだ」のセリフはモニターで聞いていつも2人で笑ってた。伝わんねーかーっつって。

今回初めて舞台上で屁をこいた。キンチョーの連続で胃腸の調子が悪かった。ぬいぐるみ着て六角と2人でやる保安官ネタの時。死ぬかと思った。くさすぎて。客席にも届いたことだろう。スマン許して。

書き始めると長くなるので、最後にネタがあがるのを辛抱強く待ってくれたスタッフの皆さんに心から感謝。みんなのおかげだ。また早いうちにライブやりたい。

長谷川朝晴

今回のMonkey Circleはね、なんとなく最初っから、テクノ、ハウスのイメージだったのね。
やっぱさぁ、わかりやすくてカッチョよさげじゃん。円にもあいそうだし。照明もムービングやるって聞いてたからさ、高揚感ちゅーの? みんなをドクドクさせるには、例の一定のリズムでガンガンおし切る感じ?誰もがトランスしやすいのはやっぱって感じで。ハヤりのトランス、オレん中でもハヤってたからちょうどよかったのもあんだけど、OpeningのPLANISPHERE“DEEP BLUE DREAM”聞いた時、“あ、これで踊ったらオモロカッチョイイな”って思ったら、マギーとかかなりノッてくれてもう一発で決まったのね。そっからもう大変で、リズム速いから踊りもバタバタしちゃいそーで。振り付けの八反田さん、ありがとーございました。この曲は、YOJI BIOMEHANIKAのMIXした“NRG ESSENCE”というアルバムに入っております。聞いてみたい人はぜひ。

そのあともポイントポイントで、色々ハメこみました。アタダアメって連呼するところでは懐かしのHARD FLOOR、六角の美容師ダンスには、DJ SAKIN&FRIENDS、坂田のオヤブダンスはJOHNY SHAKER、どっちも“TRANCE NATION”というMIXアルバムに入っております。どの曲も笑えるのでこれまた聞いてみたい人はぜひに。

そんでね、一番悩んだのが石倉がまわる所。海賊の店長の死後、霊バイ師力道先生の突然死の後と2回あったんだけど、インパクトのある曲というか、誰もが知ってる曲っていうのがあってギリギリまで決まらんかったのね、ここだけ。音響の半田さんもトムキャットとか色々持ってきてくれたんだけど、テレサ・テンもヒデキも桑名もhideもプッチモニもどれもハマらなくて、結局“またあう日まで”。この曲、大好きなんで自分的には大満足。でもまだまだアソコには色々あったのかなぁなんて、いまだに考えてんのね、OZZYとかさ、色々。

まぁ今回は半田さんもカッチョイイのいっぱいかけてくれたんで、かなりカットバしてたんでないでしょうか。客入れに泥くさいのもいけたんで。中身の方はまた機会がありましたら。それでは、また。

Monkey Circleを見れなかった全てのKIDSへ。

チケットがとれなくてホント残念だったね。「もっとデカいとこでやれ」って思ってるだろうけど……。
俺達がライブが好きなのはやっぱりお客さんとのグルーブ感なんだな。だからどーしてもバカデカいホールじゃそれを楽しめない。細かいニュアンスで笑わせたいとなるとやっぱりデカいホールじゃできないってのもあるし……。

俺達がやりたい笑いをやるのがライブの場である以上、それは許して。我慢してついてきなさい。スカパーで放送するんで。入ってない人は加入して。俺も入ったスカパーに。VはVなりに楽しめると思うから……。

今度こそライブでお会いしましょう。
                              マギー
                                          
02-17.3.2000. JOVI JOVA LIVE Monkey Circle at 青山円形劇場
(2000.3.30)